ゴーレム効果

2019/11/25

【成長について】

 

田坂広志先生は、成長について次のようにおっしゃいました。

 

・なぜ、人生において「成長」が大切なのか。

・それは、人生において「成功」は約束されていないからです。

・しかし、人生において「成長」は、誰にも約束されている。

 

さらに成長の定義を・・・

・できなかったことができるようになる。

・知らなかったことを知

・見えなかったものが見えるようになる

の3つだとおっしゃいました。

 

非常に分かりやすい。

このようにわかりやすく表現できる人になりたいものだと思います。

 

 

【視野・視座・視点】

 

さて、この「見えなかったものが見えるようになる」についてです。

見える世界が違ってくるということですよね。

私は・・・

 

・視座が高くなること

・視点が豊かになること

・視野が広がること

だと考えています。

 

似ているようで違う3つの言葉の意味を確認しておきましょう。

 

視座とは、「どこから見るか」

同じ事実を眺めていても、どのような立場・役割で眺めるかによって見えるものが違うということです。

 

視点とは、「何を見るか」

同じ状況の中にいても、視座(立場・役割)によって、見るもの(見たいもの)が違ってくるということです。

 

視野とは、「どこまで見るか」

その人の視座によって眺められる範囲が違ってくるということです。

 

眺められる範囲というのは景色のような「幅」だけでなく、「奥行」に関しても適用されますね。奥行とは時間感覚のこと。

 

社員ー1週間先を考える

課長ー1年先を考える

部長ー3~5年先を考える

取締役ー10年先を考える

社長ー数十年、百年先を考える

という具合に。

 

こうして整理すると、見える世界の違いの根源は「視座」だということが分かります。

 

複数の視座を持っていて、色々な立場から物事を見られる人のことを「視座が高い人」と言ったりしますね。

 

若い頃、しょっちゅう言われましたね。

「一つ上の立場で(時には二つ上とも)ものを見ろ、考えろ」

 

ビジネスパーソンの成長を促す言葉として「メタ思考を持て」と言ったりもします。

メタ思考とは「視座を上げ新たな気づきを得る思考法」で要するに、自分が見ているよりも一つ上のレベル(視座)で見る、ということです。

 

 

【ゴーレム効果】

 

一瞬話は変わりますが、教育心理学に「ピグマリオン効果」という言葉がありますね。

 

これは、教師の期待のかけ方によって学習者の成績に違いが出て来るということ、期待をかけると成績がよくなる現象を言います。

( 「ピグマリオン」はギリシャ神話の登場人物で、自分の作った彫刻に恋をしたピグマリオンが、神に祈りを捧げて彫刻を人間にしてもらい、幸せに暮らしたという神話に由来しているとのこと)

 

アメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタール(Rosenthal,R.)という人が提唱した考え方なんだそうです。

 

正反対の意味を持つ言葉もあるんですね。

「ゴーレム効果」と言うそうです。

 

人に対し悪い印象を持ち、接することにより、その印象が良い印象を打ち消して悪い影響のほうが勝ってしまい、悪い人に実際になってしまう現象を言います。

(ゴーレムとはユダヤの伝説にある意思のない泥人形のことであり、呪文で動き出すのだが、額の護符の文字を1字取り去ると土に戻るという話から引用されているそうです。この泥人形には意思がなく、術師の命令通りに動きます)

 

私は、組織にとってピグマリオン効果を意識するよりも「ゴーレム効果」の深刻さを考えたほうがいいと思うんですね。

 

企業組織の中では、人をOKメッセージを出すつもりで見る人は少なく、BADメッセージを出すつもりで見ている人の方が多いように思います。

特に管理職においては「ダメ出し」が仕事になっている傾向がありますね。

 

BADポイント中心に見ればその人はBADな人になりますし、GOODポイント中心に見ればその人はGOODな人になりますから、自分の見方が偏っていないか、いつも確認しなくてはなりませんね。

 

ピグマリオン効果とゴーレム効果を考えますと、あなたがGOODポイント中心にみてGOODな人だと思って接しているか、あるいはBADポイント中心に見て、その人がBADな人だと思って接しているかによって、その人自身の成長とパフォーマンスが変わって来てしまうということがあり得るということですよね。

 

 

【プロとして、一人前として扱う】

 

ゴーレム効果に陥らない究極の方法は、メンバー一人ひとりを最初から「一人前」として扱うこと。一人ひとりを最初から「プロ」として扱うことだと思うんですね。

 

特に新入社員の場合は、何も知らない状態で配属され「未熟者」という見られ方をします。

気をつけないと、いつまでも「未熟者」という扱いで、「お前はいつまで経っても成長しない」という見方をしてしまいがちです。

 

その理由は、視座の問題です。

 

当然上司である自分の方も成長し、視座が上がっていますから、新入社員で入った部下がいつまで経っても未熟に見えます。

 

「未熟者」というステッカーを貼った状態でいつも見ていますから、無意識のうちに「どこが未熟なのか?」とBADを探して見ることが当たり目になってしまうわけなんです。

 

その見られ方は、そこはかとなく部下に伝わります。

「自分は上司から未熟者と見られている」「半人前と見られている」「期待されていない」という意識が、ゴーレム効果となってますます悪くなるという悪循環を生んでいきます。

 

 

ある会社の社長さんと部長さん方のレベルについて話していた時のことです。

 

ある程度の大きさの会社だったのですが、支社長、部長の中から中々役員が誕生せず、組織の硬直化が顕著な状態に私には見えました。

40代50代のそれなりの年齢で、結果と実力もついてきて次のチャレンジをしてもらった方がよいと思える方が複数おられたので、どうして支社長、部長から役員を選ばないのか社長に聞いてみました。

 

社長の答えは「あいつらはまだまだ未熟だ」という一言。

 

ご本人が社長まで上りつめることができたのは、30代の早いうちに役員に抜擢され、場数を踏み、多くのチャレンジをしてきたからなのですが、彼自身の視座が社長レベルまで上がってしまっていますので、支社長、部長はまだまだ未熟に見えてしまうわけです。

昔自分が手にしたようなチャンスを、後進の者たちに与えることができないわけです。

 

若い頃は、「一つ上の立場で(時には二つ上とも)ものを見ろ、考えろ」「メタ思考を持て(上の立場から自分を見ろ)」と言われるものだと書きました。逆に部下を持って一人ひとりを見る時には「視座をあえて下げて、相手の視座(レベル)でその人を見て判断する」ということも必要だということです。

 

 

 

 

 

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