「分別」と「勇気」

変革コンサルティングのあるお客様の社員面談でのことです。

「モチベーションが上がらない状態なんですよね」

という社員が複数いらっしゃいました。

言外にモチベーションが上がらない理由を、職場の風土や上司のマネジメントスタイルに求めている感覚が伝わってきます。

会社と職場への不満のオンパレードです。

あるいは、「今取り組んでいる仕事をやり切る自信がなくて・・」という発言も複数聞かれました。

今まで経験の無い仕事なので、自分にできるかどうか不安だというのです。

この「モチベーション」という言葉や「自信」という言葉は、非常に厄介な言葉ですね。

聞いてみると、「モチベーションが上がらない」という発言の社員がいることを聞いて、人事部では、上司に「部下のモチベーションをあげる方法を教える研修」を検討したいとのことです。

また、「仕事をやり切る自信がない」という発言の社員がいることを聞いて、人事部では、社員が仕事に自信を持てるよう、若手社員が着実に仕事を覚えられるよう、先輩社員に後輩への仕事の指導の仕方を教える「OJT研修」を検討したいといいます。

一事が万事、一対一の対症療法的な考え方が習いとなっていることが見てとれます。一生懸命やろうとすることはいいことだと思いますが、対症療法では解決になりません。

そうではなく、「モチベーションが上がろうが上がるまいが、やるべきことはやる」という社員に育てなくてはなりませんし、自信があってもなくても「チャレンジする」風土を作る必要があります。

「モチベーションが上がろうが上がるまいが、やるべきことはやる」という姿勢になってもらうためには、社員のモチベーションを上げようと、褒めたりすかしたり、チヤホヤする方法を管理職に教えるのではなく、上っ面ではなく、常に目の前の仕事の「真の目的」を考えながら仕事する姿勢を浸透させる必要があります。

「自信があってもなくてもチャレンジする」という姿勢になってもらうためには、仕事の基本をきちんと教えるというようなことだけではなく、難易度の高い、一見できそうもない仕事を乗り越えた先の達成感と成長感を味あわせることが必要です。危うくてもチャレンジして、失敗を許容し、結果は失敗でもそこからの「学び」を大切にする風土が必要です。

「モチベーションが上がろうが上がるまいが、その仕事の真の目的を理解して、やるべきことはやる」ことを「分別」といいます。

「自信があってもなくても、その先の達成感と成長感を目指してチャレンジする」ことを「勇気」といいます。

「分別」と「勇気」のない社員が増えて来ている危機感を私は感じています。

人事部の皆さんには、対症療法ではなく、急がば回れの施策を考えていただきたいと思います。

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