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勝てる戦略3つの条件

この頃、リーダー研修などで「勝てる戦略の3つの条件」についてよく話しているんですよ。

つきつめていくと、一通りグルッと回って、このようなシンプルなことに戻ってくるものなのかもしれないですね。

ひとつずつ見ていきましょう。

1.他がやっていないことをする

「差別化」と言われるもののことなんですが、これがとても難しい世の中になってきましたよね。

大きな業界であればあるほど、いつの間にやら商品も同じ、売り方も同じ、それを扱っている会社の経営手法まで同じになっていく、なんてことがあります。

「他がやっていないことをする」のが一番の戦略だと分かっていても「シェア争い」や、コスト競争戦略の必要があって、ライバルに「追随」して、規模を追いかける戦略を取らざるをえなくなるわけですね。

大胆に新しい製品やサービスを展開することを諦めて、既存の商品のちょっとした改善をスピーディーにやっていくことを、小さな差別化としてやっていくことになります。

2.うまくいっていることを見つけ、それを増やす

「小さな改善」は、当然ライバル会社もやってきますので、どうしたって早い者勝ち、スピード勝負になります。

その際には、次の2つのことが重要になってきます。

「失敗を許容すること」と「うまくいっていること(小さな成功)を見つけ、それを(スピーディーに)増やす」ということです。

現場で起こっている小さな成功の種を見つけて、それを社内的に増やしていくこと、横展開していくことがとても重要になります。

できる上司ほど、部下の小さな成功を「やって当たり前」「できて当たり前」と思えて注目しません。

「~ができているんですが」と報告しても「それはいいから、~と~はどうなっているんだ?」と、うまくいっていることではなく、できていないことに注目してプレッシャーをかけることを仕事にしているわけなんです。

このような、うまくいっていることはスルーして、うまくいっていないことを指摘することが蔓延している組織文化を「BAD&NOの文化」と呼んでいます。

別名「ダメ出しの文化」です。

上司が、部下のできていないところ、ダメなところを見つけて、「あれもダメ、これもダメ(=BAD)」とダメ出しを繰り返し、最後には「コイツは仕事のできない奴」と、諦める(=NO)こと。

ダメ出しが積み重なっていった先で、上司は口にします。

「だからお前は営業マン(ここに色々な職種が入ります)としてダメなんだ」

そして、日常的に部下に質問を繰り出します。

「問題点(できていなこと)はなんだ?」「原因はなんだ?」「いつまでに解決する(やる)んだ?」

これをやっていては、「うまくいっていることを見つけ、それを増やす」などということは、夢のまた夢。

何しろ、できていないことに注目し、できていることは「それは当たり前」と聞こうとしていないわけですから。

うまくいっていることを見つけ、それを増やすために必要なのは「GOOD&MOREの文化」です。

これは、まずは、うまくいっていることに目を向けて、その理由を明らかにして、それを増やす努力をすることです。

増やすのは、自分の中だけでなく、同じチーム、同じ部門、同じ社内、となるべく広い範囲で考えます。

上司から部下への質問は、こちらの場合は次の3つになるんですね。

「うまくいっていることはどんなこと?」「それらがうまくいっている理由は?」「どうすればもっとうまくいくようになる?」

3.うまくいっていないなら、違うことをやる

これは至極ごもっとも。

ごくごく当たり前に見えるんですが、うまくいかなくても、まるで意地になってでもいるように、やり方を変えないという現象はありますよね。

例えば、営業部門などでは、やり方を変えずに、「頻度」と「時間」と「気合い」を変えさせようとすることがよくあります。

頻度=15社の訪問を20社に増やせ

時間=平日やって結果出ないなら、土日も出ろ

気合い=もっと頑張って売れ

冗談のように聞こえるかもしれませんが、未だにこのような「オールドタイプの隊長」は多いように思います。

「勝てる戦略の3つの条件」の中でも、とりわけ、2番目の「うまくいっていることを見つけ、それを増やす」ことができる職場にしていくために、「BAD&NOの文化」から「GOOD&MOREの文化」に変えることに取り組んでいただきたいと思います。

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