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リモートワークで意識したこと


【1月は4回講演会やりました】


1月は4回「energizer今野誠一新春講演会」を展開しました。 これは、新型コロナウイルス感染者が急増している状況の中で、「少しでも皆で励まし合い、助け合って乗り越えて行きましょう」という企画でした。


人と組織のエネルギーを上げる取り組みを仕事にしている今野誠一から、コロナ禍突入で自分自身が取り組んで来たことを「自分自身」「家族/友人」「職場」の三つのカテゴリーで報告しました。


その後、ご参加の皆さんで感想共有や意見交換をしていただきました。 さて、3回の講演会で話した話題の1番人気はなんと私の「家族との話」でありまして、2番目は「GOOD&MORE」そして、3番目は当日あまり詳しく話せなかった「リモートワークで意識したこと」だったんですよ。 「参考になったので、後日会社で社員に共有しました」という方もいらっしゃいました。 「次回は、詳しく説明してほしい」というご要望もいただきましたので、ブログでお届けしたいと思います。 私は、ツールについては修行中の身ですので、お話ししたのはリモートワーク状態を少しでもよくするために取り組んだことについてでした。



【セルフマネジメント力】

リモートワークで最も悩ましいのは、自分をいかにコントロールするかですね。 監視の目も無く、オンライン会議を除いてはいつ何をしていようと自由です。 しかも周囲には誘惑だらけです。 テレビ、ビデオ、ラジオ、ベッド、お酒、・・・・ コロナ禍の先行き不安も手伝って、現実逃避をしてやらなくてはいけないことの「先送り」が多くなります。 まったくもって「自分との闘い」です。 3つのことを実践することにしました。

■とにかくとりかかる


《ベイビーステップ》 心理学に「ベイビーステップ」という言葉があります。 またの名を「スモールステップ」。 日本語で言えば「無理のない一歩」という意味ですね。 なかなかやる気の出ない時のコツは「とにかく手を付ける」ということなんだそうです。身も蓋もないコツですが、心理学的にも根拠があるのだそうですから、さらにやる気を強化できることを信じて、少しでもいいから何かやってみることです。 心理学には「作業興奮」という言葉もあります。 やる気が出ないとき、とりあえず手を使って作業をしてみればやる気が湧いてくるというものです。 手と頭を使って作業をすることで脳の側坐核が刺激され、ドーパミンが分泌されることで脳が興奮し、やる気が出てくるというメカニズムです。 『ベイビーステップ ⇒ 作業興奮 ⇒ やる気』ということですね。 《すべてに手を付けてみる》 とにかくとりかかるの応用編として、「抱えている課題の全てに手をつけてみる」ということを実践しています。 例えば10個やるべきことがTO DOリストに載っていたとします。 「優先順位」を決めて、順番に取り組むのが一般的だと思いますが、大事なことというのは難易度の高い業務であることが多いので、なおのこと先送りの心理が働きがちなんですね。 そこで、10個のやるべきことの全てに少しずつ手を付けてみる、という方法をお勧めしたいと思います。文章を書く必要のあることなら3分間だけ考えてみる。段取りを考える仕事も3分間だけ考えてみる。作業レベルのことであれば、3分間だけやってみる、ということです。 この方法は、作業興奮の他に次のようなメリットがあります。 ・自分では手に負えなくて他の人に頼まなくてはならないことに気付く ・原稿を書くのに、調べておかないといけないことに気付く ・おおよそどれくらい時間がかかりそうか検討がつく 一つのことに平均3分間手を付けたとしたら、合計で30分です。 30分がもたらす効果は絶大です。 ■自分モニター

何も手に着かず、ボーッとしばらく画面を眺めている(観ているのではない)ことがあったり、無意識にネガティブな思いに囚われることがあります。 不安な気持ちや何かへの心配に囚われる心と仲良く付き合うセラピーの基本は、不安と心配の対象と上手に向き合うことです。 人前で話す時に緊張してしまう人の一番の対策も「あっ、自分は今緊張して胸がドキドキしている」「手に汗をかいている」ということを確認して、ハッキリと認識することで、本来の自分を取り戻すことができる(アガリが和らぐ)のだそうです。 これを応用して、一日に最低1回、できれば2回、自分の状態を確認することにしました。 仕事を一休みして・・・ゆったりとした状態で・・ ・体調 ・気持ち(心)の状態 ・仕事の進捗 を確認します。 運動不足だと感じたら、少しの時間運動をします。 慣れてくると、朝と、昼と、夕方と、夜寝る前のモニタリングが習慣になってきます。 自分で自分の状態を自覚する癖をつけて、見失わないことが大切です。

■ルーティーンを取り戻す



これも監視がなく自由であるために起こることですが、これまでのルーティーンがものの見事に崩れます。 人は習慣に生きている動物ですから、ルーティーンの崩れはすべての崩れを引き起こします。 リモートワーク生活ならではの新しいルーティーンを早目に決めて、習慣化することです。 ・起きる時間 ・食事の時間 ・始業、終業

などの分かりやすいけじめを固定の時間で意識します。 私の場合は、運動不足対策も兼ねて、自宅から駅までのウォーキングもいつもどおりすることにしました。 可能であれば、上司や職場の皆と相談して、朝礼や夕礼などの共有タイムをルーティーンにすることもよいかもしれません。 私が関わるある企業様では、昨年の緊急事態宣言の時期に朝の決まった時間に、オンラインでラジオ体操をルーティーンのひとつにされてリズムを作られていました。 一日のリズムを上手に作ることが大切ですね。

【オンライン実行力】

■ツールは全てに挑戦

Web会議(Zoom、Teams等)は、打合せや、仕事上のセミナーなどで一般化しました。 この他、Chatworkや Slackや Workplace等のビジネスチャットとの併用で、対面コミュニケーションができないことを補うことも今後ますます普及し「当たり前」になってきます。 これらは、苦手感のある方からすれば、心理的にも「できれば使わないで済ませたい」というのが本音かもしれません。 特に私から上の年代の方にはそういう傾向がありがちではないでしょうか。 しかしながら、これらは、これまでの手紙やメールや電話と一緒で、単なるツールであり、ごく当たり前に「使いこなす」ことができないと、支障が出ることになる時代はすぐそこまで来ています(現在すでにそうなっている?)。 これらのツールへの苦手感も、リモート生活で鬱々としてしまう原因のひとつという人も少なくないことと思います。 「必要なツール」と発想を切り替えて、代表的なものはすべて楽しみながらマスターしたいものだと思います。 ■相手に合わせる

上の「全てのツールに挑戦」に一番のお勧めは、道具を選ばず、「全て相手に合わせるようにする」ということですね。 相手が「Teamsを使っている」という場合は、自分が使っていなくてもTeamsを使ってみます。 「ZoomでもTeamsでもGoogle meetでもいい」と言われたら、自分が使ったことのない会議ツールにしてみましょう。 ビジネスチャットについても同様で、先方さんから例えば「打合せのやり取りをChatwaorkで・・」という投げかけがあった時に「使ったことがないのでメールで・・・」というのは禁句です。 ■若者の師匠を増やす 上記の「相手に合わせる」の積極版としては、色々と教えてもらえる若者の師匠を持つことですね。 自分で地道に調べたり、学んだりしている時間はもったいないですね。 これからのコミュニケーションツールは、若者に学ぶに限ります。 私の場合は、自社のスタッフに教えてもらう他に、2つのベンチャー企業など若者の多いコ・ワーキングスペースを契約して、なるべくコミュニティに参加し、分からないことを聞くことができる師匠を探しています。


「若者を師匠にする」ということで言いますと、将棋の米長邦雄氏のエピソードを思い出します。


米長氏は、日本将棋連盟の元会長で、50歳で「名人」を獲得するという最年長記録を持つ方ですが、40歳半ばでスランプに陥り、20代の若い棋士に勝てなくなってしまったんだそうです。

ある時、若い棋士から「先生と指すのは非常に楽です。先生は、この局面になったら、絶対逃さないという得意技、“十八番”をいくつも持っています」と指摘され、「自分の得意技を捨ててみたらいかがですか」とアドバイスを受けます。 これに対して怒りを覚えることもなく、米長氏は若手を「先生」と呼び、弟子入りし、再び王将に返り咲くことができました。 なんと柔軟な精神と姿勢でしょうか。 とても意を強くするお話です。

【見える化・オープン化】

リモートワークで上司が悩むのは、「今誰が何をやっているか分からない」ということであり、メンバー同士でも同様ですが、より具体的に「プロジェクトの進捗確認がしにくい」「困った時にすぐに相談できない」という状況が起きてきますね。 古い言葉のようですが、今こそ「報連相」が重要になってきますね。 下に「ジョハリの窓」について書きましたが、この窓でいきますと、リモートワークでは、CやDの領域が増えて来る危険性が高くなります。 情報共有の仕組みを作っていくことも大事なのですが、ジョハリの窓でいう「開放された窓」をお互いに広げていく意識をこれまで以上に持って、「自分の方から公開していく(報連相していく)」ことが必要になってきますね。 まずは「自己開示」です。 私も、社長としての発信、そしてお客様への「報連相」を、これまでよりも積極的に、より丁寧に行いたいと思います。 心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムの「対人関係における気づきのグラフモデル」





















①:解放の窓:自分は気がついていて、周囲も分かっている、公開された自己 ②:盲目の窓:自分は気がついていないが、周囲からは見られている自己 ③:秘密の窓:周囲の人は知らないが、自分は分かっている自己 ④:未知の窓:誰からもまだ知られていない自己 色々と工夫しながら、リモートワークのストレスを解消していきましょう。

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